こんにちは。佐渡人です。
この間、【ガールズバンドクライ】というアニメを絶賛したわけなのですが。
今回は【夜のクラゲは泳げない】というアニメをご紹介していこうと思います。
これもまたよかった….
※注意ネタバレを含みますので見ていない方はブラウザバックを…
歌い手が、アニメになった。
このアニメは簡単に説明すると、主人公の絵師と元アイドルの歌い手が出会いネット上で少しずつ有名になっていく物語。
本当に簡単な説明で申し訳ない。
でも、めちゃくちゃ面白かった。
まず、設定が面白い。これまで歌い手グループが結成して陽の目を浴びるまでの物語を描いたアニメはそうなかったのではないだろうか。
しかも、歌い手が元アイドルで一度は芸能界から追放されたところからの再起…ってのが作品を進めていく中の重要な要素になっていることが良い。
これまでアイドルとして一生懸命積み重ねてきた努力が報われる瞬間もいい。
歌い手グループ(歌い手、絵師、作曲、動画制作・編曲)の才能を持った者たちが出会い、苦悩しながらグループとして大成していく姿を描いている。これまでなかった視点で面白かった。
それぞれが孤独だったキャラクター達
この作品の主人公は歌い手ではない。
主人公は光月まひる。絵師である。
これもまた面白い組み立て方だと思った。
絵が上手で渋谷の壁に巨大なクラゲの絵を描いたこともある主人公。
しかし、それを友人たちに否定され絵を描くことからは離れていた。
だがその作品を歌い手である山之内花音に評価され、また筆を執ることを始める。
歌い手は山之内花音。
元アイドルで、同じグループ内のメンバーに暴行を働いたことで芸能界から名を消す。
動画サイトで細々と歌ってみたを投稿していたが、主人公との出会いにより本格的なオリジナル曲を制作していくことを目指す。目標はフォロワー10万人。
作曲は高梨・キムアヌーク・めい。
通称木村ちゃん。山之内花音のアイドル時代の猛烈なファン。
音楽大学の付属高校に通っており、ピアノでは数々のコンクールで賞を取っている。
ドイツ人とのミックスで、容姿や名前を揶揄されることで孤立していた。
歌を歌うことは苦手。
編集・リミックスは渡瀬キウイ。本名。
チート。一番チート。1人だけおかしい。
動画編集のスキルはもちろん、編曲もこなし、プロジェクターでファンアートをスタジオに投影。
まひるの絵も5枚で容易にアニメーションとして動かすし、人気Vtuber。
なんでもすぐ上手になるキウイちゃんだが、小学校・中学校でのイケイケ具合を高校でも発揮したところ、周りとの温度差で孤立してしまう。
Vtuberでの活動中は理想の自分を作り出し、生徒会長であるエピソードを創作で語っていた。
こんな4人が集まってJELEE。
それぞれが孤独を感じながら、インターネットで輪を広げていく。
JELEEのために、それぞれの殻を破る物語
上で説明した通り、メンバーそれぞれが孤独を感じてコンプレックスを感じ、自分のことを好きになれず理想とかけ離れている自分に対して苦悩を抱えていました。
ですが、4人はそれぞれの方法でその壁をぶち破ります。
その中でも僕が好きなのは10話で描かれた木村ちゃんの姿です。
10話ではJELEEが、花音がもう歌う理由が見つからなくなってしまったことで解散の危機に陥ってしまいます。まひるは絵師として仕事を請け、残ったのは木村ちゃんとキウイだけでした。
それでも二人が戻って来る場所を絶やさないように、できることをやろうとバイトを続けます。
ですが想いとどかず、生配信でJELEEの解散と年末までの新曲発表する計画を断念する報告をしようとしました。
止まりながらも、話を続けるキウイとは対照的に木村ちゃんは下を向いていました。
決定的な言葉をキウイが発し、まだボーカルが入っていないけどカラオケ状態でも新曲を最後に聞いてほしいと流し始めた途端。
木村ちゃんがマイクを握りました。
私は、私は、最後なんて嫌です!!!!!
夜のクラゲは泳げない 第10話より引用
その言葉をリスナーへと叫び、新曲を歌い始めるのです。
木村ちゃんは、絶対に唄わないことを宣言しているくらい歌うことを拒絶していました。
それもそのはず、かなりの音痴。
それでも、それが分かっていても大量の視聴者がいることが分かっていても木村ちゃんは歌ったんです。
その姿を見たキウイはバイクを走らせ、自宅でくすぶっている花音へ放送を聞かせます。
コメントには「やめちまえ」などの心無い言葉の数々。
花音は、自分がそれに耐えられなかったことを思い出したのかもしれない。
不安そうに “めい!”と叫びます。
ですが歌うことを辞めずにどこかで聞いてくれているであろう花音へ思いを歌で届ける姿に、
コメント欄も「がんばれ」など、後押しするものが多くなってきます。
それは木村ちゃんへ贈った言葉であり、JELEEの存続を願ったファンから花音へのエールでもあったのではないのかと思います。
泣きながら歌う木村ちゃんと、泣きながら木村ちゃんの歌を聴く花音。
花音は、その姿に応えます。
花音の歌とその姿に救われ、花音を生きがいに生きていた木村ちゃんが。
今度は、音痴だけど誰よりも心のこもった歌と姿で花音を救った。
今思い出しても鳥肌が立ってくるほどお気に入りのシーンです。
誰かを救った歌は、また自分を救ってくれる歌につながる。
今も昔も一生懸命やったことは、無駄なことではないんだなとエールを教えてくれました。
まとめ
いろいろ話してきましたが、やっぱりこの作品で視聴者が投影するのは過去の自分だと思うんです。(1個人の見解です)
僕は、過去孤独を感じることも結構ありました。アニメ好きは淘汰される世界だったので隠れてラノベ読んだり好きな曲はアニソンだけど隠してメジャーな曲を言ったり。
この作品のキャラクターが抱えているような複雑でもっと重い話ではないですが、自分と重なる部分がありました。
でも、この作品では壁をぶち破って乗り越えることのすばらしさを教えてくれます。
一生懸命のカッコよさを教えてくれます。
勿論、現実はそんなにうまくいかないことは分かっていても、キャラクターたちの一心不乱に駆け抜ける姿には勇気をもらえます。
皆さん、見ていない方も10話の内容知っちゃいましたが映像と、音楽と、声優さんの演技が感動を与えてくれるのでぜひ見てください。
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